アラモードの意味って知ってる?

空から日が沈んでいくのを合図に、街に明かりが灯りはじめた。
大きい道路が、会社帰りの大人たちの車で埋まっていくのを横目に、他人事だと言わんばかりに自転車を漕ぐ。

お金以外のしがらみが無い身分せいで、こんな時間に喫茶店へ向かう羽目になった。日が沈むと途端に寒くなることを忘れて、シャツ一枚で外に出てしまったし。

大型ショッピングモールに向かう途中、川沿いにある「あるぺんはうす」。
課題を今日の今日まで忘れてしまったがために、急いでネタは無いかと知恵と財布を振り絞った結果の選んだ場所だった。

その場所に着くと見える、やる気なく光っている看板の中の緑の店名は紫外線と雨風のせいで色あせている。でもそれが喫茶店としての愛嬌のようで、夕暮れ時の街の憩い場としての説得力だった。

お店に入り、席に案内されると温かいおしぼりとお冷が出てきた。
でてくるおしぼりが温かいだけでその喫茶店を信頼してしまうのは、短絡的でしょうか。これを読んでいる人もそうであると安心します。

このお店に来たのは、パフェのためと決まっていたのでメニューを開く必要はなかったんだが、子供みたいな無駄な好奇心で冊子の形のそれを開くと、恐らく面倒だったであろうメニューの作り直しをごまかすようにほとんどの値段が訂正されていた。
一番最初、訂正される前のコーヒーの適正価格の200円が横線で消されて、今や550円になっていた。
そんなものを見るとこの喫茶店の性格と時代の変遷が読めたような気がする。適当だが。

頼んだアラモードパフェを、店内のチープなBGMと少ない他の客の声が混ざった音を聞きながら待っていると、

「アラモードの意味って知ってる?」
不意打ちのように、一年前そう聞かれたことを思い出してしまった。

優しそうな初老の店員さんが慎重に運んでくれたアラモードパフェ。

この緑のソースって何なんだろうなって毎回思ってしまうけど、結局調べることよりも食欲が勝ってしまい、最初のひと口をそっと舌の上にのせる。驚くほどなめらかな甘さが広がり、思わず目を細めてしまう。カラースプレーチョコは食感に彩りをくれて、様々な果物の柔らかく酸っぱい甘みは口の中に物語を与えてくれるような存在になる。

かなりボリュームがあったから、食べ終わるのに思ったより時間がかかってしまった。これ以上寒くなる前に早く帰ろうと、急いで会計を済ませる。

扉を開けたら、季節はもう冬になったことを知らせるように冷たい風が肌をかすめた。喫茶店の入り口にはいつかのビニール傘が錆びてぶら下がっていた。少なくとも一年前にもあった。

傘が忘れられる前、もっと言えばコーヒー一杯の適正価格が200円だった時代からあるこの喫茶店のパフェがアラモードだなんて少し皮肉っぽくて可笑しかった。

みんなも良かったら来てねー


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